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沖縄昔ばなし「猫(ねこ)と虎(とら)」(那覇市)

沖縄昔ばなし「猫(ねこ)と虎(とら)」(那覇市)

むかしむかし、猫は空手の師匠でした。

その頃、虎は体は大きいが、弱虫だったのでみんなに笑われていました。

そこで、虎は強くなろうと思って、猫の弟子になって空手を習いはじめました。

空手が上達すると、虎は体が大きく、力も強かったのでどんどん強くなり威張るようになりました。

ある時、虎は師匠の猫に向かって言いました。

「もう、俺は先生よりも強いぞ。先生、一度俺と勝負してくれ。」

師匠の猫は、虎がいつかは、勝負を申し込んでくると思っていたので、

「それなら、明日、波の上(沖縄の地名)で勝負しよう。」と言って承知しました。

虎は、次の日、今日こそ師匠の猫と勝負して勝てば、この世で一番強くなれると思って、波の上にやってきました。

虎が勝負をしようと思うと、猫は波の上の崖から海の方に突き出した松の木に登って、

「さあ、来い。」と虎に言いました。

実は、猫は弟子の虎に木登りの術だけはわざと教えていませんでした。

虎は、木に登れないので、下で待っているほかありませんでした。

しばらく待っていた虎が言いました。

「そんな卑怯な術があったのか。だが、いつまでも木の上おれないだろう。木から降りてきたら、どこにいようとお前の糞(くそ)の臭いで、お前を見つけて食ってやる。」

虎は、そう言って立ち去って行きました。

それからというもの、猫は虎を怖がって糞をした時には、必ず土で隠すようになり、虎は木登りの術を教えてもらえなったので、今でも木に登れないでいるということです。

おしまい。

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