全日本少林寺流空手道連盟 錬心舘 鹿屋南地区本部 鹿屋東部支部

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資料:当破(アティファ)

「当破(アティファ)」

 

https://ameblo.jp/motoburyu/entry-12335302716.html

より引用

 

当破(アテハ、方言でアティファ)は、突きの威力とかパンチ力という意味の沖縄の方言である。漢字で当破と表記する。宗家によると、父・本部朝基は、たとえば「どんなに型ができても、当破がなければだめだよ」というような言い方をしていたらしい。

 

当破の漢字が正しいかどうかであるが、宗家によるとアテハの意味は「突き破る」ということらしいので、当破で間違っていないと思う。というのも、首里では、「殴る」という言葉を上品に「アティユン(当てる)」と言ったからである。これに対して、那覇では「クルスン(殺す)」と言った。物騒な言い方であるが、那覇は、江戸で言えば浅草のようなところ、下町で繁華街であるから、威勢のいい言い方が好まれたのであろう。これに対して、首里は国王のお膝元であるから、上品な言い方が好まれた。

 

それゆえ、当破は、もともとは首里の人たちが使った言葉だったのではないかと思う。那覇の人たちが、クルスンファ(殺破)と言ったかは知らないが……。そういえば、剛柔流にクルルンファという型があるが、何か関係があるのだろうか。

 

さて、当破に対して、今日さまざな誤解があるように思う。多くの人は、当破を正拳突きの威力、とりわけ引き手からの逆突きの威力として想像しているのではないであろうか。しかし、本部朝基が学び実践していた古流唐手では、正拳突きだけでなく、裏打ち(裏拳)、コーサー(一本拳)、猿臂(肘打ち)、手刀、貫手など多彩な突きがあり、正拳突きも引き手からだけでなく、夫婦手の前手からの「前手突き(刻み突き)」もあったのである。

 

そして、本部朝基の当破の真骨頂は、引き手から繰り出す正拳突きではなく、対象すれすれの位置からから繰り出すショートパンチにあったのである。それを示すエピソードが、中田瑞彦『本部朝基先生・語録』(1978)に書かれているので以下に引用する。

 

“中田よ、いいところに来た。一寸ぐらい拳を離したところから、割ってみなされや。割れたら、腰の抜けるほど泡盛をご馳走するよ”とあるとき、私が本郷餌差町に先生をお訪ねすると、先生の座敷(道場兼用)の縁側の軒先からぶら下がっている札を私に示した。よく見ると、幅2尺(約60センチ)、長さ3尺(約90センチ)、厚さ2寸余(約6センチ余)の長方形の松板の上端から2寸ほど下がった中央のところに錐穴が開けられ、その穴に丈夫な紐が通して、軒のタル木からぶら下がっていた。とてもとは思ったが、言われた通り、縁側に立ち、左拳を間近に伴った右拳で、松板から一寸ほどのところに位置させ、一念をこめて突いたが、割れるどころか、ガツーンと音を立てて板は跳ね返り、得たものは拳の苦痛だけだった。

 

忘れたが、居合わせた誰かお弟子さんだったのだろう、その人も続いて、やってみたが、何回やっても、板が音を立てて跳ね返ること、私と同様だった。

 

“さあ、よく見てなされや”そこで本部先生は板の前に立ち、右拳を板から一寸にも足らない至近距離に一度静止させたが、次の瞬間“フィッ”というような含み気合いと共に沈むと、いつ拳が当たったのか、板はちょうど紐穴から縦の線でズーンと割れ、両片と化して軒下の地面に落ちた。

 

(註)本部先生は平生、余り板や瓦などを割ることに興味がなかった。それは演武会などの客寄せのショーぐらいに考えていられたらしいが、このとき私がはじめて見た先生の板割は、ショーどころかまさに本部流拳法の真髄だった。このようにブラブラと吊るされた松の厚板をスレスレのところから真っ二つに割るということは、本当の当身の力で、おそらく何人(なにびと)にも真似は出来ないであろう。私はその時、本部先生の双手連動、足腰のバネ活用による極端なショートパンチの威力を目の当たりに見せられ、その「当て」を構成する諸々の要素を一人の天才的武術家が実戦裡に創成した恐ろしいものと知ったのである。

 

当破を養うのは、巻き藁突きである。本部朝基の巻き藁突きも、YouTubeなどでよく見かける現代の巻き藁突きとは趣を異にしている。古流の突き方と現代の突き方は違うのである。そのことを理解しないと、当破の理解も明後日の方向に行ってしまう。本部朝基の巻き藁突きの口伝は伝わっているが、本の写真を見ただけでは、その真意はなかなか理解できないであろう。

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